2008-09-17 百足生命欲 詭弁 雲に溺れた満月は 朧な月光が射していた 近づき離れる円形に 淫らな犬達は灰になる 真っ黒に感光した蟻の死骸 紫映る爪痕を たいそれた愉快犯が踊り出す 赤き生命の日溜まりよ 昔話の子鬼と錫 私の心は傷口で 触れば溢れ出す魂の 鎖を少しひきちぎる 真昼間に見た白昼夢は迷彩 記憶を削る魚釣り 台形の円筒に花が咲く 赤き生命は高く泣く 真っ逆さまに飛び込む隼は死んだ幻遮る雨音が 体温を殺す融解液を摂る 赤き生命の生き方よ ゆっくり眠れ 今だけは