タチコマ・アパシー

雑記。過去もすべて受け入れた。

海岸に於いて

海を見て 僕は感慨を覚えたりはしないけど
でも其処に立っていると 少し吹く冷たい風を
指に触らせて 泣いてしまう

波の音 最後に聞いたのはいつだっけ
もう・・・覚えていないや
白い車の向こう側 歌を叫んでみた

「僕は ここまで生きてきました」
「もう記憶の彼方へ消えた君へ」
「僕はまだ歌っているよ」

風の音 波の音 こんなに綺麗な旋律
車輪の声も混ざっている中 僕は
傘も差さない雨の中 サイレンを鳴らす

泣きそうな坂道で僕はこうして
思い出す記録と思い出せない君
僕の心は探している

僕は向こう側でまだ歌っている
「僕は こうして君を探してきました」
「君は一体何処へいったのさ」

居るはずも無い海辺で
僕は独りで座った
茜空が諦めの色を映して・・・