タチコマ・アパシー

雑記。過去もすべて受け入れた。

七階から観た東京と多摩川の夕べ

 今年の3月に初めて入院した。人生で入院するって機会そうそうないと思っていたし、したとしても車に撥ねられたりしてだろうなとか思っていた。俺は周りを見る力が少し弱いので友人たちと話しながら歩いてるとき「前!」とか「後ろ!」とか言われながら袖を引かれるのである。なにより高校生の時に自転車で車に撥ねられている。だから俺はまたいつか車に撥ねられるのであろうと思っていた。
しかし、だ。俺はまさかの病気で入院した。最初はただの風邪だと思っていたら、肺に水が溜まっている。「はい?」なんて下らない応答をすることさえできなかった。「え?」としか言えなかった。俺が近所の内科から言われた言葉は「入院ですね」ってことだ。色々考えた。お金と仕事…ましてや今都内に住む独身男性で、俺、こんなことで入院してていいの?だとか、更に遡って昨年の11月頃、急に食物アレルギーを発症したことを思い出した。食物アレルギーの方も大変だった。端的に言えば牛だ。牛肉、牛乳系がどうもダメらしいとのことだ。それを聞いたときも俺は「えっ…牛…」なんて嘘っぽく言ったりできたら良かったのかもしれないが、「ほぇ~マジか」と気が抜けたことしか言えなかった。なにより既にその時発症していたので、手が真っ赤に蕁麻疹が出ており、痛くて仕方なかったので当然である。
まぁそんなこと考えていると、「俺って本当に死ぬのではないか」とか本気で思ったりもし始めるわけで、ODで自殺未遂した日を思い出したり、死にたいと本気で泣いていた昔のことを思い出したりするのである。死にたいとあれだけ思っていて、死ねるんだったら本望じゃないか!と素直に考えることも出来なくはなかった。しかしやっぱり腑に落ちないので、どうやら俺は本当は生きたいってことを上京した時よりはっきり、思ったのである。
20代前半で上京してきたわけだが、その当時はここが死に場所だと言ってこっちに来て、真面目に生きてきた反動で貯めた貯金を全部使い、社会的にはもう地を這うような感覚を味わい、それでもまだ生きてるということや、それでも生きていけることを知ってしまったので、薄々そう思っていたことだった。
なにはともあれ、入院することになった。ということで職場に連絡したり、病院に通い俺は晴れて人生初の入院生活を送ることになった。

ちなみに病名はざっくり言うと「肺結核」だった。この歳でなるのはそんなにないらしい。免疫が落ちてくると発症するということで、ふと、昨年九月はほぼ眠らずにひと月を過ごしたことを思い出し後悔した。が、それが直接原因なのかは今もわからないのである。
入院中の生活は、その中でも出来ることを…と思って行っていたので、パソコンで原稿作業をやりながら投薬としっかり三食を毎日食べることになって、上京してから初めてと言っていいくらい健康的な日々を過ごせた。正直、話し相手がいないこと以外はご飯を作る必要もなければ洗う必要もなくて、日常の生活より随分楽だと思えた。入院自体は二週間前後で退院することになり、思ったより早く退院できたので、それはそれで良かったと言える。
しかしだ。まず入院費、これがまた色々とかかってくることになる。幸い、親が心配してくれたので、入院費はなんとかなった。そして休職扱いになる俺は退院してからも手続きとか色々と戦う事になる。そんな面倒くさいことになるとは…と若干ため息をこぼしつつも、お金がないのでそれに抗うことができない。それでこんな話をするのも昨日傷病手当の書類でさんざんたらい回しをされたからである。クソが。
まぁそんなこんなで休職という社会人の夏休みを手に入れた俺は今、いわゆる専業主夫状態だ。
専業主夫というのも、現在俺は友人と同居をしていて、元々家事はほとんど俺だが、完全に専門的に俺になっている。それは構わないのだが、改めてこれが母の仕事かと思ったりもした。
とはいえ、所詮二人暮らしなので、そんなに大変でもなく、一日を見れば大抵が暇である。ので俺はもっと有意義に過ごすべく、娯楽に興じるのであった。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

 

 まずこれ。すごく面白い。ニンテンドースイッチ
俺はこういった3Dゲーはよく画面酔いを起こしたので苦手であったが、グラフィックの進化はすごい。多分。ポリゴンが荒かったので酔っていたのではないかと思った。
ゼルダの伝説、シリーズ的には全くどれも触れたことがないので、何とも比較できないのだが僕はヌルゲーの増えた現代に、こう、高難易度のゲームが出てくると非常に燃えるのである。高難易度というとハードルが上がりそうだが、昔のゲームは大抵これくらい難しかった覚えがある。寄り道をしたり、倒し方がわからない敵が出てきたり、少年心をくすぐられたようで、凄く冒険したという気持ちになれる。謎解きはなかなか難しいものも多いが、ゴリ押し(脳筋プレイ)も可能なので、俺並みの頭でもクリアできることは証明された。小難しい文体で書いている風なので、本当に脳筋か?と言われればそうでもないのだろうが、入院を経験した後の俺は「生きてりゃなんとかなる」理論で、このゲームも生きてりゃなんとかなる、のである。(適当)

Netflix

Netflix

 

検索したら出た。マジか。
Netflix。これ、TSUTAYAに行かずに大抵のアニメや映画が観れる。素晴らしい。
何が良いって化石じみたPS3でもサクサク動くので、未だに我が家ではPS3が現役で稼働している。Amazonプライムも併せ持っているので、ほぼ網羅できる。強いて言うなら流石に新作はTSUTAYAに行かねば見れないくらいだ。アウトドアの要素を持たずに育ってきた人間にはこれほどまでに丁度いいものはないだろう。月額950円なので、余裕でお釣りが来ると思う。

なかなか入手しづらいマンガ。これも今買い漁りつつ読んでいる。どうやら打ち切りらしいので終わり方はちょっとスッとなっているらしいが…漫画の連載がどうのとかそういう話は日本ではよくある事なので、まあ特に気にしていないが、俺の好きな漫画は大抵打ち切りである。PSYRENノノノノも打ち切りである。悲しい。アンケ出せってことだろう。そう俺は作者に何も貢献していないのである。好きな気持ちを伝えなければ何にもならない、これは恋愛ではないのだ。
話題を戻しますが、「モンジュが可愛い」という理由でしか読んでいないので、俺から理由を聞き出しても「モンジュが可愛い」に始まり「モンジュが可愛い」に終わります。まだ5巻までしか読んでないし。ネタバレするなよ!絶対だぞ!

もう今更だけれど。美味しい。
まあ美味しいのはみんな言ってると思うので、値段だ。 コンビニで多分240円くらい。チョコレートにしてはちょっと高いというのが貧民の見解だ。なにより容量も少ない。俺は明治なら普通の板チョコのほうが食べたい、というのもわかる。それは質より量を取った場合だ。240円なら普通の板チョコは2枚買える。

明治 ミルクチョコレート 50g×10個
お得感では断然こっちだろう。
しかし、だ。普通の板チョコは、美味しいが、飽きる。とにかく飽きる。いや、食べきれてしまうけれど、ちょっとチョコもういいや感が出てくる。2枚は食べたくない。200円で。冷蔵庫に入れて後で食べる選択を間違いなくする。そして後でまた食べたときに、ちょっと飽き感を思い出しつつ食べきるのである。
いやそれもまた幸せなのだ。わかる。甘党だからわかる。それもいい。だが満足感だ。いっぱい食べたからといって、それはただの所詮板チョコなのである。チョコパイには敵わない。ちなみに近所のスーパーにチョコパイが税抜き198円で売っているので俺はそっちを買っている。
そこでだ、このザ・チョコレート、何がいいのか?香り立つし、パキッとした食感、そんなに甘くない。この画像の赤が一番、チョコを求めている人は食べやすい甘さ。ビター度が増すと普通にビターである。
いわゆる「大人な味」系だ。なので大人ぶりたい、そしてそんなに食べなくても適度に満足感を味わえる、そんな年頃の20代にピッタリなわけだ。俺だ。箱も洒落ている。コーヒーに合う。品の良いチョコレートって感じだ。実際言われているとおり美味しいし、3個入りで、ガツガツ食べる普通の板チョコとは違い、ゆっくり食べれる。なんか大人っぽい。なんとなく品性がある。気がする。
要するにそう振る舞いたい時に買うといいのだ。あとはプレゼントで貰えるとそこそこ嬉しい。これもある。
外箱は小さいが小物入れにはなるので何かしらに使いたい人は取っておいてもいいと思う。

liquid rainbow

liquid rainbow

 

最後にこれ。入院中に買った。
SuiseiNoboAzというバンド。普通に考えて、普通の人はあまり聞かないだろうジャンル。バンドマンがおっ、となる系。後はZAZEN BOYSとかその辺を聞く人。


初めて知ったのはうちのバンドの宮田くんが教えてくれた。この時ね。
正直よくわからなかった。良さが。最初は。難しいことやってるのはわかる。
ナンバガザゼンに影響を受けたバンドだなあ感。そこどまりだった。
ただし俺はナンバガキッズなので、なんとなく嫌いじゃないという理由でCDを借りた。まぁ聞いてもその感想は変わらなかったと思う。

ただ俺の見解はこの曲、というかこのアルバムで大きく変わる。乾いた風だ。
乾いた、心地よい風が吹いた感覚だった。めちゃくちゃハマった。恐ろしいくらいハマった。
ハマると恐ろしいもので、前作のアルバムを聞き返すとめちゃくちゃ良く聞こえ出す。
というわけで俺がこういったジャンルの音楽に手を伸ばすようになったのだった。
ハマった理由を考えてみたが、単純に前作より歌もの、と言っていいのかわからないが、明確なメロディを残した曲が増えたのが強い。俺は歌が好きだ。ギターやベースやドラムがどれだけ難しいことをしていようが歌が良くなければダメだ。と言っていいかはわからないが、そう思っている。つまり歌がよかった。
それから暫くして3rdアルバムが出る。
これも良いんだけれど、1stと同じで印象に残ることが少なくて正直最初は、受け付けなかった。
その後、ベースとドラムの脱退を見て、「ああ」と思った。
俺は多分終わったなと思ってさえいた。失礼かもしれないが、そこまでの魅力だと思っていた。
そして今年である。新メンバーを携えての、4枚目のアルバムである。
長かった。前置きも。アルバムも。やっと紹介できる。

この曲。最高にクールである。
曲の後半にかけて体温を持ち始める感覚。すごくいい。硬質な、言ってしまえばひどく低温な曲で、ボーカルだけが生物のように語りだす曲。途中のファズギターのフレーズで、このバンドがこのバンドである証明のように声をあげる。そして間奏のドラムソロ。音が割れるほどのクラッシュ、表現の力が半端じゃないと思った。ボアズの曲は平坦だ。基本的にはそう感じていた。でもこの曲は色を持っていて、最後まで聞いたときは泣きそうにさえなった。というか人が見ていなければ泣いていた。俺がこれを初めて聞いた瞬間は、隣に友人がいたのであった。
今やバンドなんて贅沢な趣味だ。金がなくても、客がなくても、続けることに意味があるのか?

いつかliquid rainbowがやってきて、俺たちみんなを助けてくれる

まあ、そういうことなんじゃないか、と勝手に解釈しておく。