タチコマ・アパシー

雑記。過去もすべて受け入れた。

百足生命欲

雲に溺れた満月は

朧な月光が射していた

近づき離れる円形に

淫らな犬達は灰になる

真っ黒に感光した蟻の死骸

紫映る爪痕を

たいそれた愉快犯が踊り出す

赤き生命の日溜まりよ

昔話の子鬼と錫

私の心は傷口で

触れば溢れ出す魂の

鎖を少しひきちぎる

真昼間に見た白昼夢は迷彩

記憶を削る魚釣り

台形の円筒に花が咲く

赤き生命は高く泣く

真っ逆さまに飛び込む隼は死んだ幻遮る雨音が

体温を殺す融解液を摂る

赤き生命の生き方よ

ゆっくり眠れ 今だけは